校庭の向こう側が波を打っていた
皮膚をこがすような太陽が頭を押さえつけた
喪服のような制服を脱ぎ捨ててみたけれど
あの日殺した蜻蛉がきっと 今でも私を憎んでいる
笑い声や刺される指が窮屈で隅で呼吸をしていたけれど
燃やした教科書の匂いが鼻を刺しむせ返った
もしも器用に嬉しい時に笑い 悲しい時に泣けていたのなら
貴方と私 今でも笑い合えていますか
右手に剃刀や薬など持っていなければ
貴方の左手を握ることができましたか
誰もいないテニスコートに石を投げた
私が保健室で眠る頃きっと 誰かが怪我をしている
わざと落としてひび割れたクラリネット
制服のまま飛び込んだプールの塩素が目にしみた
もしも貴方の優しさに素直に答えていたのなら
いつか貴方がいなくなることを悟れましたか
自分で傷を作るような愚かな真似さえしなければ
代わりに貴方の傷を癒せましたか
あの音楽室で あの頃のままで 私は貴方を待っています
|
|